人気VTuberグループ「にじさんじ」に所属する叶。その柔らかな物腰と高いゲームスキルで多くの支持を集める一方、直近の「ストリートファイター6(スト6)」の配信における言動がネット上の掲示板等で議論を呼んでいます。特に対戦中のコメントへの反応や、コーチングを受ける姿勢、そしてそれらを擁護するファン層の動きに対し、厳しい視線が向けられているようです。
対戦中の「他責思考」とコメントへの苛立ち
今回の騒動で最も多く指摘されているのが、対戦格闘ゲームプレイ中の「他責」的な言動です。掲示板の書き込みによると、叶は対戦に負けた際やコンボをミスした際に、「コメントを見ていたから負けた」「質問に気を取られた」といった趣旨の発言をすることがあるといいます。これに対し、「自分でコメントを拾っておいてリスナーのせいにするのは理不尽だ」「集中したいならコメントを見なければいい」といった正論が多数寄せられています。
特に物議を醸しているのが、配信タイトルや雰囲気で「質問歓迎」を謳っておきながら、実際にゲームに関する質問を投げかけた視聴者に対して不機嫌な対応を取るケースです。「質問しないでと言ってるのに」とリスナーを詰める場面があったとされ、これには「質問OKの配信タイトルと矛盾している」「普通の質問をしただけの人が可哀想」という同情の声が集まっています。自身のミスや敗北の原因を外部(視聴者や環境)に求めてしまう姿勢が、純粋にゲームプレイを見に来た層や格闘ゲーム愛好者からの反感を買っている要因のようです。
「ネタ・プロレス」という弁明と受け手の温度差
叶やそのファン層(通称「隊」と呼ばれる界隈)は、こうした強い言葉や不機嫌に見える態度について、「これはエンタメである」「プロレス(掛け合い)の一種」「ネタだから本気にしないでほしい」と主張することがあります。しかし、ネット上の声を見る限り、その「ネタ」という説明に納得していない視聴者が多いのが現状です。「不快にさせた後に『ネタでした』と言うのは、いじめっ子の言い訳と同じ」「笑いどころがなく、ただ空気が悪くなっているだけ」といった厳しい意見が散見されます。
エンターテインメントとしての「キレ芸」や「プロレス」は、双方が了承している、あるいは最終的に笑いに昇華されることで成立します。しかし、今回のケースでは、質問をした視聴者が実際に謝罪に追い込まれるなど、笑えない状況が生まれていると指摘されています。過去にも同様の「後から冗談だったと弁明する」パターンがあったことから、一部のリスナーからは「都合が悪くなるとネタ扱いして逃げている」と捉えられ、信頼を損なう一因となっているようです。
コーチングへの姿勢と格闘ゲーム界隈からの視線
叶のプレイ態度に関しては、指導に当たるプロゲーマーやコーチへのリスペクト不足を懸念する声も上がっています。多忙なプロを長時間拘束してコーチングを受けているにもかかわらず、アドバイスを聞き入れずに自己流のプレイを続けたり、教えてもらったことを実践せずに不満を漏らしたりする様子が観測されています。これに対し、格闘ゲームを真剣に愛好する層からは「プロへの敬意が感じられない」「教えてもらっている立場としての態度ではない」といった批判が出ています。
また、長期間コーチングを受けているにもかかわらずランクポイント(MR)が伸び悩んでいる点についても、「アドバイスを素直に聞かないから成長しない」「強くなることよりも、プロと絡むこと自体が目的化しているのではないか」という厳しい分析がなされています。格闘ゲームは自身のミスと向き合うことが不可欠なジャンルであるため、他責的な思考や指導を聞かない姿勢は、ゲーム性の本質と相性が悪いと見る向きもあるようです。
過激化するファン層の擁護活動
今回の騒動をさらに複雑にしているのが、一部の熱狂的なファン(叶え隊)による過剰な擁護活動です。掲示板では、叶に対する批判や苦言を呈したSNSアカウントに対し、集団で通報を行い凍結させようとする動きがあったことが報告されています。また、批判の矛先を逸らすために、全く無関係な他のライバー(葛葉など)の名前を出して話題をすり替えようとする様子も確認されており、これが他推しのリスナーからの反感を買っています。
「全肯定」と呼ばれるファン層は、叶のどのような言動も「可愛い」「面白い」と肯定しますが、それが外部の常識的な感覚と乖離しているという指摘もあります。ファンが批判意見を攻撃的に封殺しようとすればするほど、「ファンの民度が低い」「異様な集団」という印象を周囲に与えてしまい、結果として叶本人の評判までも下げてしまうという悪循環に陥っているようです。
- 他責的な言動: 自身のミスや敗北をコメントやリスナーのせいにする姿勢が、ゲーム配信として不快感を与えている。
- 「ネタ」という言い訳の限界: 不機嫌な態度を後から「ネタ・プロレス」と説明しても、受け手側が笑えていないため成立していない。
- コーチへのリスペクト不足: プロのアドバイスを聞き入れない姿勢が、格闘ゲームファンや既存リスナーからの失望を招いている。
- ファンの攻撃性: 批判的な意見に対するファンの過剰な攻撃や通報活動が、界隈全体の閉鎖性を高め、外部からの心象を悪化させている。