五木左京の応援広告クラファンで物議。「イラスト報酬2万円」の内訳がクリエイター軽視と批判される背景【にじさんじ】

 

SNSや掲示板に書き込まれたコメントを分析し、なぜ最近話題になっているのかを検証しました。

現在、Vtuber五木左京氏のファン有志が企画した「1周年記念応援広告」のクラウドファンディングにおいて、目標金額に対するイラスト制作費の配分が著しく低いことが発覚し、批判が殺到しています。単なる価格設定のミスにとどまらず、過去のタレント本人の騒動とも関連付けられ、コミュニティ全体の「クリエイターへの敬意」が問われる事態となっています。

 

【経緯・タイムライン】

  • 応援広告企画の立ち上げ:五木左京氏の活動1周年を記念し、リスナー主導による全国5都市(東京・愛知・大阪・福岡・北海道)への広告掲出を目指すクラウドファンディングが開始されました。
  • 予算内訳の発覚と波紋:プロジェクトページ等で公開された内訳において、総額約54万円の目標金額に対し、メインとなるイラスト費が「2万円」に設定されていることが判明しました。
  • 批判の激化と主催者の対応:SNS等で「相場を無視した安すぎる設定である」との指摘が相次ぎましたが、主催者が指摘者をブロックするなどの対応をとったことで不信感が増大し、掲示板等で厳しく糾弾される事態へと発展しました。

 

現在、議論の焦点となっている主なトピック

予算規模と報酬額の異常なアンバランスさ

批判の最大の根拠となっているのは、プロジェクトの規模とクリエイターへの対価の不均衡さです。企画では全国5箇所への掲出を掲げ、広告費や印刷費には約45万円が計上されている一方で、広告の顔となるイラストの制作費はわずか2万円(予算全体の約4%未満)に留まっています。掲示板では「個人依頼でも5万〜10万はかかる」「大判印刷や商用利用(高額支援者へのデータ配布特典)が含まれるなら桁が違うはず」といった具体的な相場観に基づく指摘が相次いでおり、2万円という金額はプロ・アマ問わず「やりがい搾取」に近い、あるいはクリエイターを軽視した「悪徳業者レベル」の価格設定であると批判されています。

第三者視点で見ると、この配分は「広告を出すこと(場所の確保)」自体が目的化しており、その中身である「作品(イラスト)」の価値を軽んじているように映ります。本来、ファンによる応援広告はクリエイターとの協力関係で成り立つものですが、今回のケースは「推しの宣伝のために絵師を安く使う」という構図に見えてしまい、結果として「応援」の意図とは裏腹に、界隈外からも冷ややかな視線を向けられる要因となっています。

 

「トレパク騒動」と重ねられるファンコミュニティの性質

今回の騒動が単なる「相場知らず」で済まされない背景には、五木左京氏本人が過去に起こした「トレース疑惑(トレパク)」による謝罪騒動があります。掲示板等では、「トレパクで問題になったタレントのファンが、イラストレーターへの敬意を欠いた企画を立てている」という点に強い皮肉と批判が集まっています。「配信者とリスナーは似る」「本人の鏡のような企画」といった厳しいコメントが多く、著作権や制作物の権利に対する意識の低さが、タレントとファン共通の問題として認識されていることが窺えます。

この現象は、ファンコミュニティ(リスナー)が外部からの指摘に対して排他的になっている現状も示唆しています。過去の騒動を経てもなお、権利関係や対価に対してルーズな姿勢が見られることから、外部の観察者からは「自浄作用のない閉鎖的な集団」として警戒されています。ファンの行動はタレントの評価に直結するため、今回の件は過去のネガティブなイメージを払拭するどころか、再生産する結果を招いています。

 

主催者の対応と企画遂行能力への不信感

企画の進行管理や主催者の対応についても懸念が広がっています。予算設定の妥当性を指摘された際に、説明や修正を行うのではなく、指摘したユーザーをブロックして情報を遮断したとされる報告があり、これが「聞く耳を持たない」「不誠実」という印象を決定づけました。また、期日が迫る中で目標金額の達成が危ぶまれている状況(残り約50万円が必要との情報も)や、高額な支援プランの特典設定など、企画そのものの見通しの甘さも指摘されています。

客観的に見ると、これらは「個人の熱意」が「実務能力」を超えて暴走してしまった典型例とも言えます。数十万円規模の金銭を扱う責任の重さが認識されておらず、身内ノリの延長でプロジェクトを進めてしまった感が否めません。万が一企画が頓挫した場合や、不透明な資金運用が行われた場合、タレント本人にも迷惑がかかるというリスク管理の視点が欠如しており、それが周囲の不安と苛立ちを増幅させています。

 

まとめ

一連の議論を整理すると、掲示板等では主に以下の点が批判の核心となっているようです。

  1. クリエイター軽視の予算配分:全国規模の広告展開に対し、イラスト報酬が「2万円」という極端に低い金額であり、制作物の価値を不当に低く見積もっている点。
  2. 権利意識の欠如とタレントとの類似性:トレパク騒動の過去を持つタレントのファンでありながら、制作対価への敬意を欠く行動をとっており、「推しに似てモラルが低い」と見なされている点。
  3. 運営の不誠実さとリスク:指摘に対するブロック対応や見通しの甘さから、金銭トラブルやタレントの評判低下を招く「無責任な企画」であると判断されている点。

今回の件は、応援広告という文化が一般化する中で、主催者側に求められる倫理観やリテラシーが欠落していたために起きた騒動と言えます。タレント本人の過去のトラブルも相まって、より厳しい視線が注がれており、ファン活動が逆にタレントの足かせとなる悪循環に陥っている状況です。