最近、YouTube界隈では「低評価の数」がちょっとだけ話題になりました。
以前からYouTubeでは視聴者が低評価の数を見られなくなっていますが、その低評価の数を見れるサイトが出現したのです。
そして、そのサイトで調べた低評価の数についてネット記事が書かれたところ、記事で書かれたYouTuberが「そんなに低評価ついてないぞ?」と否定したという流れです。
サイトで見られれる低評価の数は正しい?
YouTubeは今現在、低評価の数を視聴者が見られないようになっています。
これはイタズラや悪意を持って低評価を大量に入れられると、その動画が本当は良い動画なのに「悪い動画」のような印象を与えてしまうことへの対策です。
最近はYouTuberが直接企業から案件をもらうことが多く、低評価が多いと企業イメージの関係から案件をもらいにくくなるという実害(営業妨害)にも繋がります。
さて、本来では見られないはずの低評価の数を見れてしまうウェブサイトが登場しました。
そこでは低評価の数が数時間おきに更新されて、ほぼリアルタイムで見ることができます。
このサイトで見れる低評価数と、実際にYouTuberが見られる「本当のデータ」で大幅な差があったことから、一時期話題になったわけです。
YouTubeの低評価数を視聴者側ではどうやっても見ることが出来ません。
低評価が「非表示」になった当初は、本当にただ非表示になっていたのでページのプログラムソースを見れば低評価の数を見ることが出来ました。
しかし、そこはさすがのYouTubeもしっかり対応して、今ではソースを見ても低評価の数字はどこにも記載されないようになっています。
では、このウェブサイトはどうやって低評価数を表示しているのか?
Chromeの拡張機能「Return YouTube Dislike」
ここで、話は少し変わって、パソコン版のGoogleChromeにある拡張機能の話です。
「Return YouTube Dislike」という拡張機能は、導入するだけでYouTubeの低評価が見られるというものです。
低評価が非表示になった当初はソースを見なければいけなかったのですが、その手間を省くためにこの拡張機能がリリースされ、なにもせずとも低評価数が見られるようになりました。
ですが、先程も書いたようなYouTube側での対策が行われ、この拡張機能でも低評価の数は見ることができなくなりました。
ソースに低評価の数字が記載されなくなったので、この拡張機能ではどうにもできなくなったのです。
実際に使ってみるとたしかに低評価の数が表示されます。
しかし、この低評価の数は「拡張機能側で勝手に推測した数字」でしかないのです。
推測している?
どういうことかというと・・・。
With the removal of dislike stats from the YouTube API, our backend switched to using a combination of scraped dislike stats, estimates extrapolated from extension user data.
翻訳:YouTube APIから嫌いな人の統計情報が削除されたため、私たちのバックエンドは、スクレイピングされた嫌いな人の統計情報と拡張ユーザーデータから推定された統計情報を組み合わせて使用するようになりました。
拡張機能の公式ページにはこのように記載があります。
簡単に要約すると「YouTubeに対策されてちゃんとした数字出せないけど、拡張機能入れてる人の押した低評価の数と再生回数とかから計算して、なんとなくそれっぽい数字出せるようにしてるよ!」ってことです。
この拡張機能で見られる低評価の数というのは推測だということです。
ですので、この拡張機能を入れている人が誰も低評価を押さなかったら、実際には何千も低評価が押されていたとしても、表示される低評価の数は「0」になるということです。
逆にいえば、本当はぜんぜん低評価が押されていないのに、拡張機能を入れている人たちが集団で低評価を押しまくれば、表示される低評価は本来の数字よりもかなり多くなります。
サイトで見られる低評価の数は「推測」でしかない
というわけで、話は戻って低評価の数が見られるウェブサイトについてです。
この拡張機能の話でわかるように、どんなにプログラマーたちががんばっても視聴者側では低評価の本当の数は絶対に見ることが出来ません!
そして、ウェブサイトもこの拡張機能のようなシステムで低評価の数を表示していると思われます(拡張機能を使ってそのままウェブサイトに出力している可能性も高い)。
わざわざ拡張機能を入れてまで低評価の数を見たいような人たちは、どんな動画にも評価ボタンを押すものと思われます。
普通の視聴者は意外と評価ボタンを一切押さない人が多いです。
こういう視聴者側の心理も考えると、低評価がつきそうな動画には「拡張機能を入れた人たちがこぞって低評価を押す」ため、一部動画だけに低評価が大量についてウェブサイトに表示されるのだと予想されます。