YouTuber、Vtuberといえば「ゲーム実況」をするのが当たり前みたいな状況になっている昨今。
昔はゲーム実況といえば著作権的にグレーゾーンと言われていましたが、今ではゲーム会社側が配信ルールを設けてゲーム実況を容認するようになっています。
というわけで今回はそんなゲーム実況でよく見かける光景の一つ「エンディングだけミュートにしたり、映さないのはなぜ?」について解説していきます。
エンディングをミュートにする理由
ゲーム実況を配信するためには、そのゲームのガイドライン(ルール)を守る必要があります。
配信者は「ゲーム実況をさせてもらっている立場」ですので、そのルールを守れないと動画削除、最悪の場合には著作権侵害ということで訴えられます。
今回のエンディングの話もこのガイドラインが大きく関わってきます。
では、実際にゲームの配信ガイドラインにはどんなことが書かれているのか?
ここでは一例としてFF10のガイドラインを見てみましょう。
1.利用できる著作物(以下「本著作物」といいます)
・本ゲーム公式サイトおよび関連サイト内に掲載されているテキスト・情報・画像・動画
・本ゲーム内に表示されるテキスト、ゲーム中で撮影されたスクリーンショット、およびゲーム内で撮影された動画
FF10の配信ガイドラインにはこのように書かれています。
簡単に言うと「ゲーム実況をしてOKだよ!」ということです。
ガイドラインを読むとFF10はゲーム実況をして良いことがわかります
このガイドラインの下にはさりげなく重要なことが書かれています。
・本ゲーム内で使用されている楽曲、音楽データ
※楽曲「素敵だね」、「1000の言葉」及び「Real Emotion」を含むものは本著作物からは除外され、利用許諾の対象外となります。
FF10のゲーム内で使われている楽曲のうち3つ(「素敵だね」「1000の言葉」「Real Emotion」)は【本著作物からは除外され、利用許諾の対象外】と書かれています。
どういうことかというと、この3つの楽曲についてはFF10が権利を持っていないということです。
この3つの楽曲の権利をゲーム側が持っていないために今回のガイドラインは適用されず、楽曲が流れるシーンは配信では勝手に使えないってこと!
3つの楽曲については個別で使用許可の確認が必要となります。
こういう事情があるため、FF10の実況配信では楽曲が流れそうなシーンではミュートを利用する配信者が多いです。
もしも楽曲が流れてしまったらYouTubeの自動検知システム(content ID)に発見され、動画が削除されたり、最悪の場合にはBAN処分を食らう可能性があります。
逆に言えば、楽曲が流れるタイミングがわかっていたり、楽曲の使用許可が取れていることが確認できた配信者はミュートにせず、そのまま楽曲が流れるシーンを配信に載せることができます。
生配信ではなく、動画勢(撮影したものを編集してからアップする)は使用許可の有無を確認してからアップするためにストーリーもミュートにしていないことが多いです。
エンディングを映さない理由
ゲームによってはゲーム内の楽曲が全て配信で使えるものもあります。
しかし、そういうゲームなのにエンディングを映さない配信者がいます。
もちろん、これも配信ガイドラインが関わってきているわけです。
ゲームシナリオの終盤における核心部分に関わる配信及びエンディングの配信は極力控えていただけますようお願い申し上げます。
このようにストーリーの重要な部分の配信を控えるようにお願いするゲームが増えてきています。
せっかくならば自分でプレイしてストーリーやエンディングを楽しんで欲しい!ということです。
昨今は「ゲーム実況を見るだけで満足してしまいゲームを買わない人」が多くなっていると言われています。
そのため、ゲーム実況者は配慮として重要なストーリーやエンディングを自主的に映さない人もいます。