Vtuberの配信を見ていると、コメント欄やSNSで「合わないなら自衛してね」「〇〇が嫌な人は自衛推奨」といった言葉をよく目にしませんか?
なんとなく「嫌なら見るな」という意味で使われているのは分かるけど、少し強い言葉に感じて戸惑うこともあるかもしれません。
この「自衛」という考え方は、配信という文化を誰もが快適に楽しむために生まれた、非常に重要な護身術です。
今回は、この「自衛」の本当の意味と、思わぬトラブルを招かないための正しい使い方について、分かりやすく解説していきます。
そもそも、配信における「自衛」とは?
結論から言うと、配信における「自衛」とは、「自分にとって不快な情報やコンテンツを、自らの意思で避けること」を指します。
「このゲームのプレイスタイルは自分には合わないな…」「今日の企画はちょっと苦手かも…」
そう感じたときに、わざわざ不満をコメントに書き込んだり、SNSで文句を言ったりするのではなく、そっとブラウザを閉じてその場を離れる。
これが最も基本的な「自衛」です。
なぜ「自衛」が推奨されるのか?
それは、あなたの一言が配信者本人を傷つけたり、他の視聴者を不快にさせたりして、配信全体の雰囲気を壊してしまう可能性があるからです。
自衛は、ネガティブな感情から自分自身の心を守り、同時に配信というコミュニティの平和を守るための、きわめて合理的で平和的なスキルなのです。
「でも、見たい…」自衛すべきか悩む、こんな時
「大好きな推しが、正直あまり好きではない配信者とコラボする…。推しは見たいけど、コラボ相手の言動にイライラして、文句を言ってしまいそう…」
こんな風に、自衛すべきか悩む場面もあるでしょう。お気持ちは痛いほど分かります。
しかし、こういう時こそ「自衛」という護身術を発動すべきです。
なぜなら、無理してその配信を見ても、コラボ相手の言動が常に気になってしまい、100%楽しむことは難しいからです。
そして視聴後、溜まったストレスからネットに悪口を書き込んでしまえば、あなたの好きな「推し」の顔に泥を塗ってしまうことにもなりかねません。
残念な気持ちをぐっとこらえ、その日だけは配信を見るのをお休みする。
それもまた、あなた自身と、あなたの「推し」を守るための、立派な愛情表現なのです。
最も危険な行為!視聴者による「自衛しろ」という注意
ここが今回の最も重要なポイントです。
配信者本人が、自身の配信ルールとして「苦手な方は自衛をお願いします」と事前にアナウンスするのは全く問題ありません。
しかし、一視聴者が、他の視聴者のコメントに対して「不満があるなら自衛したら?」と直接注意する行為は、多くの場合、さらなる争いの火種となります。
「自衛」という言葉は、使い方を間違えると「文句があるなら見るな!」という、非常に強い拒絶のメッセージとして相手に伝わってしまいます。
言われた側はカチンときて反論し、そこから視聴者同士の言い争い(レスバトル)に発展…結果、コメント欄がすっかり荒れてしまった、という光景は決して珍しくありません。
不快なコメントを見つけても、あなたが正義の鉄槌を下す必要はないのです。そのコメントには反応せず、そっと通報やブロック機能を使う。それが大人の対応です。
皮肉なことですが、他人を正すために「自衛しろ」と攻撃してしまうこと自体を、まず我々が”自衛”すべきなのかもしれません。