「渾身のショート動画をアップしたのに、数時間経っても、1日経っても再生回数が『0』のまま…」
「もしかして、自分のチャンネルはYouTubeから嫌われてる?これって噂のシャドウバンなんじゃないの…?」
YouTubeチャンネル、特にショート動画に力を入れ始めたばかりのクリエイターにとって、この「再生回数0」という現実は、心を折るには十分すぎるほどの衝撃ですよね。
拡散力が高いと言われるショート動画で全く再生されないと、自分のセンスや努力を全否定されたような気持ちになり、次の動画を作る気力さえ失せてしまうかもしれません。
しかし、どうか安心してください。
ショート動画の再生回数が0だからといって、即シャドウバンだと結論づけるのは早すぎます。
この記事では、なぜあなたのショート動画が再生されないのか、解説していきます。
再生回数0の99%はシャドウバンではない
まず、最もお伝えしたい結論から。
チャンネル開設初期のショート動画が再生されない原因の99%は、シャドウバンではなく「YouTubeアルゴリズムの評価待ち」の状態です。
あなたのチャンネルや動画に何らかのペナルティが課されているわけではなく、シンプルにまだ誰の目にも触れていない、あるいは見てもらうための準備段階にある、と考えた方が的確です。
では、一般的に言われる「シャドウバン」とは一体何なのでしょうか?
その正体を知ることで、あなたの今の状況が本当にそれに当てはまるのか、冷静に判断できるようになります。
そもそも「シャドウバン」とは何か?
YouTubeは公式に「シャドウバン」という制度の存在を認めていません。
これは、X(旧Twitter)やInstagramなど他のSNSでも同様です。
一般的にクリエイターの間で使われる「シャドウバン」とは、「アカウントは停止されていないのに、投稿したコンテンツが他のユーザーの検索結果、おすすめ、ショートフィードなどに意図的に表示されにくくなるペナルティ状態」を指す俗称です。
もし、本当にこのような表示制限(ペナルティ)がかけられているとしたら、その原因はコンテンツ自体に重大な問題がある場合がほとんどです。
【表示制限につながる可能性のある行為】
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コミュニティガイドライン違反: 暴力、性的、ヘイトスピーチ、危険な行為など、YouTubeが禁止しているコンテンツ。
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著作権侵害: 映画やアニメの違法アップロード、許可されていない音楽の無断使用など。
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スパム・欺瞞行為: 視聴者を騙してクリックさせるようなタイトルやサムネイル、同じ動画の大量投稿、無関係なタグの乱用など。
どうでしょうか?ご自身の動画が、これらの明確な規約違反に該当しているでしょうか。
「いや、オリジナルの健全な動画を作っているだけだ」ということであれば、再生回数0の原因はシャドウバンではなく、これから解説する「アルゴリズムの仕組み」にある可能性が極めて高いです。
ショート動画が再生回数0になる理由
シャドウバンではないとしたら、一体なぜ再生されないのか?その核心に迫っていきましょう。
ショート動画には、通常の動画とは異なる独自の拡散メカニズムが存在します。
アルゴリズムの「初期評価」が終わっていない
これが、再生回数0の最大の理由です。
ショート動画は、YouTubeのアルゴリズムによって「ショートフィード」に表示されることで、爆発的に再生回数が伸びます。
そのプロセスを理解することが、謎を解くカギとなります。
【ショート動画が拡散されるまでの流れ】
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動画投稿
あなたがショート動画をアップロードします。
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内容分析
YouTubeのAIが、動画内の映像、音声、テロップ、タイトル、説明文などから「これは一体何の動画なのか?」を分析します。
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テスト表示
AIが「この動画は、こういうテーマに興味がある人なら見てくれるかもしれない」と判断し、ごく少数のユーザー(テストグループ)のショートフィードに動画を表示します。
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反応分析
そのテストグループのユーザーが、あなたの動画にどう反応したかをAIが厳しくチェックします。-
視聴維持率: すぐにスワイプせず、最後まで見てくれたか?
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エンゲージメント: 高評価、コメント、共有、チャンネル登録などのアクションはあったか?
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視聴後の行動: あなたの他の動画も見に行ってくれたか?
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拡散 or 停止:
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【反応が良い場合】: AIは「この動画は良質だ!」と判断し、さらに多くの、似た興味を持つユーザーのフィードへと表示を拡大していきます(=拡散の始まり)。
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【反応が悪い場合】: ほとんどの人が即スワイプしてしまった場合、AIは「この動画は魅力的ではない」と判断し、他のユーザーへの表示を停止します。
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つまり、再生回数が0のままというのは、「最初のテスト表示」にすらまだ回されていない状態か、あるいはごく数回表示されたものの、再生時間としてカウントされる前に(0.数秒で)スワイプされてしまい、即座に「停止」の判断を下された状態なのです。
特に、チャンネルを開設したばかりで投稿本数が少ない場合、AIがあなたのチャンネルのテーマやターゲット層を学習するためのデータが全くありません。
「この動画を、一体誰にテスト表示すれば良いんだ…?」とAIが迷っている状態、それが再生回数0の正体です。
システム上のタイムラグ
非常にシンプルですが、意外と見落としがちな原因です。
YouTubeのシステムが再生回数を正確にカウントし、表示に反映させるまでには少し時間がかかります。
特に公開直後は、自分や友人が再生していても「0」と表示されることは日常茶飯事です。
まずは焦らず、最低でも数時間、できれば24時間は待ってみましょう。
忘れた頃に確認したら、再生回数が動き出していることもよくあります。
コンテンツの魅力不足(最初の1秒の壁)
ショート動画は、視聴者が指一本で次々とコンテンツを消費していく、非常にシビアな世界です。
ユーザーは「面白くない」と判断したら、0.5秒で次の動画へスワイプしてしまいます。
たとえあなたの動画がショートフィードに表示(インプレッション)されたとしても、冒頭の1〜2秒で視聴者の心を掴めなければ、再生回数としてカウントされる前に離脱されてしまうのです。
YouTubeアナリティクス上では「ショートフィードで表示された回数:10回」なのに「視聴回数:0回」という状況も実際に起こり得ます。
他プラットフォームからの「透かしロゴ」付き転載
TikTokやInstagramリールで作成した動画を、ロゴ(ウォーターマーク)が入ったままYouTubeショートに投稿していませんか?
YouTubeはオリジナルコンテンツを優遇するプラットフォームです。
そのため、他のプラットフォームのロゴが入った「転載コンテンツ」と見なされると、アルゴリズムからの評価が著しく下がり、ショートフィードに表示されにくくなる傾向があると言われています。
動画は必ずロゴなしの状態でアップロードしましょう。
まさかの基本的な設定ミス
「そんなはずはない」と思っていても、一度は確認すべき点です。
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公開設定
動画の公開設定が「非公開」や「限定公開」になっていませんか?「公開」にしない限り、誰にも見られることはありません。
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「#shorts」の有無
タイトルまたは概要欄に、半角で「#shorts」というハッシュタグを入れていますか?これを入れることで、YouTubeに「これはショート動画です」と明確に認識させることができます。
再生回数0の壁を乗り越える方法
原因がわかったら、次はいよいよ行動です。
再生回数0の状態から脱出し、あなたの動画を多くの人に届けるための具体的なアクションプランをご紹介します。
とにかく「継続」する
これが最も重要で、最も効果的な対策です。
「1本の動画が再生されない…」と落ち込んで手が止まってしまうのが一番もったいない。
再生回数0は、いわばYouTubeからの「あなたのチャンネルのデータがまだ足りませんよ」というサインです。
5本、10本、20本と質の高い動画を投稿し続けることで、AIはあなたのチャンネルの専門性やターゲット層を学習していきます。
データが蓄積されれば、AIも「このチャンネルの動画は、この層にテスト表示すれば反応が良いはずだ」と、的確なターゲティングができるようになり、再生数が伸びる確率が格段に上がります。
また、ショート動画では、投稿から数週間〜数ヶ月経った過去の動画が、ある日突然バズるという「遅延ヒット」も頻繁に起こります。
諦めずに投稿を続けることが、未来のバズを生む種まきになるのです。
「最初の1秒」に魂を込める
視聴者がスワイプする指を止めさせるため、動画の冒頭に全力を注ぎましょう。
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結論から話す
「この方法で10kg痩せました!」のように、最もインパクトのある結論を冒頭に持ってくる。
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衝撃的な映像/テロップ
「え、何これ!?」と思わせるような意外な映像や、「【悲報】」などのパワーワードから始める。
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問いかけから入る: 「〇〇で悩んでいませんか?」と、視聴者の悩みに直接語りかける。
SEO(検索エンジン最適化)を意識する
ショート動画も、YouTubeという巨大な検索エンジンの中で検索対象になります。
タイトルや説明文に、視聴者が検索しそうなキーワードをしっかり盛り込みましょう。
- (例)料理動画なら「簡単 レシピ 時短 ズボラ飯」など
検索からの流入は、ショートフィードの爆発力とは別に、安定した再生数を生み出す重要な柱となります。
動画の「質」を少しずつ改善する
毎回完璧を目指す必要はありません。
昨日より今日、少しだけ動画の質を上げる意識を持ちましょう。
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音声: BGMの音量は適切か?ナレーションは聞き取りやすいか?
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テロップ: フォントや色は見やすいか?表示されるタイミングは適切か?
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テンポ: 無駄な「間」がなく、サクサクと見られるテンポになっているか?
これらの小さな改善の積み重ねが、視聴維持率を劇的に向上させます。
外部SNSで初速をつける
動画を公開した直後に、X(旧Twitter)やInstagramなどで「新しいショート動画をアップしました!」と告知し、リンクを共有しましょう。
これにより、あなたのファンや友人が初期の視聴者となってくれます。
彼らからの高評価やコメントは、YouTubeのAIに対して「この動画は価値があるかもしれない」というポジティブなシグナル(初期評価)となり、ショートフィードでのテスト表示を後押ししてくれる効果が期待できます。
まとめ
再生回数0という現実は、誰にとっても辛いものです。
しかし、それは決してあなたの才能や努力の否定ではありません。
全ての人気クリエイターが通ってきた道であり、あなたのチャンネルがこれから大きく成長していくための、ほんの序章に過ぎないのです。
この記事で得た知識を武器に、不安な気持ちは手放して、さあ、次の一本の動画制作に取り掛かりましょう。
あなたのクリエイティビティが、多くの人に届く日を応援しています!