最近、人気VTuberグループ「にじさんじ」に所属するライバー、五木左京さんに、ある疑惑が持ち上がり話題になっています。
それはイラストの「トレパク疑惑」です。
ネット上では検証画像なども出回っており、ファンとして心配になっている方もいるのではないでしょうか。
本人は「模写(見て描いた)」と主張していますが、公式からの声明はなく、ファンの間では「にじさんじは権利関係に甘いのか」「絵師さんとの関係が悪化するのでは」といった不安の声も一部で上がっていました。
SNS上での反応:「過度な心配は不要」の声が多数
主な意見は以下の通りです。
- 重なっている=トレパクとは限らない
検証画像で線が重なるからといって、必ずしも下敷きにしてなぞったとは断定できません。
絵が上手い人が対象をよく見て描く(模写する)と、結果的にプロポーションがかなり近くなることは十分にあり得るからです。
- 線のヨレなどは「模写」の証拠?
冷静なファンの中には、「線がヨレている部分がある」と指摘する声もありました。
もし画像を下敷きにして機械的にトレースしたのであれば、もっと正確な線になるはずです。
線がヨレているということは、むしろ「見て描いた(模写の範疇)」である可能性が高いという分析です。
「トレパク」と「模写」の違いとは?
この騒動のポイントは、本人が「模写(見て描いた)」と言っているのに対し、一部の人が「トレース(なぞった)」だと疑っている点にあります。
ここで、両者の違いを整理しておきましょう。
- 模写(もしゃ)
お手本を横に置き、自分の目で見て、自分の手で描くことです。
画力向上のための練習として一般的です。
どんなに上手く描いても、元絵と重ねると多少のズレが生じるのが普通です。
- トレース(トレス)
お手本を下敷きにして(レイヤーを重ねて)、線をそのままなぞることです。
背景描画の時短テクニックなどとして使われる正当な技法ですが、元絵と重ねると線がほぼ完全に一致します。
- トレパク(トレース・パクリ)
これが問題となる行為です。
「他人の作品を無断でトレースし、それを『自分が描いたオリジナル作品』として発表すること」を指します。
著作権侵害や信用の失墜につながります。
今回の件はアウトなのか?セーフなのか?
今回の五木左京さんの件で、ファンのみなさんが「トレパクではない(セーフ)」と判断している理由は、本人の言葉を鵜呑みにしているからではなく、「絵の状態」が模写の特徴を示しているからです。
- 検証画像
線がヨレている、完全に一致していない部分がある。
- 判断
「トレース(なぞり)ならもっと線が正確なはずだ」→「線がヨレているということは、本人の言う通り『見て描いた(模写)』の可能性が高い」→「だからトレパク(悪質ななぞり書き)ではないだろう」
このような理論です。
ここらへんはとても難しい問題です。
たとえ「模写」であっても、他人の作品を無断で公開することは著作権侵害にあたる可能性があります。
とはいえ、著作権侵害は原則として親告罪(被害者が訴えないと罪にならない)です。
現状、元画像の権利者から訴えが起きているわけではないため、第三者が騒ぎ立てる段階ではないと言えます。
まとめ
今回の件に関しては、画像が似ているという事実はあるものの、「元画像を下敷きにしてなぞった」という確証までは得られていないのが現状のようです。
SNSでの指摘にあるように、線がヨレている点などが「見て描いた(模写)」ことの裏付けとも取れます。
ファンとしては心配になる気持ちもわかりますが、権利元からの訴えなどがない現時点では、過剰に不安視したり騒ぎを大きくしたりせず、公式や本人の活動を見守るのが良いのかもしれません。