最近、YouTubeを見ているとオススメ動画として「切り抜き」がよく上がってきます。
「ひろゆきの切り抜き」や「Vtuberの切り抜き」など、生配信の一部を切り取った数分の短い動画です。
というわけで今回は、最近よく目にする切り抜き動画って違法じゃないの?というテーマで書いていきます。
切り抜き動画は著作権侵害でダメじゃないの?
切り抜き動画は、有名なYouTuberやゲーム実況者の生配信の一部分を切り取って短い動画に編集したものです。
生配信は数時間の長丁場になることが多いため、視聴する時間が限られてくる視聴者としては面白い部分だけを見れる切り抜き動画は重宝されています。
一方でネット動画についてある程度の知識がある人達からすれば「切り抜き動画って著作権侵害じゃないの?」と疑問に思うところでしょう。
他の人の動画を勝手に自分の動画として使えば無断転載で著作権侵害になるというのは今では常識と言えるかもしれません。
しかし、切り抜き動画が著作権侵害で訴えられていたり、なんらかの問題が起きてネットニュースになっているのを見たことはありませんよね?
ということは著作権侵害としては問題が表面化していないことになります。
切り抜き動画が著作権侵害として訴えられない理由がちゃんとあります!
切り抜き動画は許可をもらっている
切り抜き動画が著作権侵害で訴えられない理由は「許可をもらっているから」です。
基本的に著作権侵害とは「誰かが権利を持っている著作物を勝手に使うこと」というルールで成りなっています。
そうです、勝手に使わず許可をちゃんと取れば著作権侵害にはならないわけです!
切り抜き申請用のフォームです。やりたい方はこれを見てください!https://t.co/9eqGWlK8fD
— Ras_99 (@Ras9915) July 8, 2021
上記のTwitterはAPEXで有名なプロ選手兼配信者のRASさんのものです。
このように切り抜きを許可性にしていて、ちゃんと申請すれば問題なく切り抜き動画をアップすることができるようになっています。
RASさんだけではなく、多くの有名配信者はこのように「切り抜きをしたい人は許可を取ってください」と表明しています。
Vtuberなどの事務所に所属している人の場合は、その所属事務所で切り抜き申請を一括管理している場合も多いです。
Vtuber事務所の「ぶいすぽっ!」では下記のようなガイドラインを設けています。
当プロジェクト関連動画、切り抜き動画等、動画転載のルール
当プロジェクトに関連する動画、切り抜き動画等の「転載動画」を公開する場合、必ず、こちらのフォームから、以下の情報をご提出いただき、当プロジェクトの許可を事前に取得いただきますようお願いいたします。
メールアドレス
チャンネル名、サイト名
チャンネル URL
収益化の有無※ご提出いただきました情報につきましては、転載動画の管理以外の目的では使用いたしません。
当プロジェクトが許可したチャンネルにつきましては、非営利のファン活動として認められる範囲で、転載動画の投稿を認め、許諾番号を付与します。
ただし、当プロジェクトが許可したチャンネルにつきましても、以下の条件を遵守していただきますようお願いいたします。下記禁止行為のいずれにも該当しない範囲での活動に限定いたします。例えば、元となった動画・配信をカットしただけの動画の投稿は禁止といたします。
転載動画には、元となった動画・配信のURLと、当プロジェクトが付与する許諾番号を概要欄に必ずご記載ください。
転載動画を投稿する際は、元となったライブ配信終了から、少なくとも 24 時間経過した後に投稿するようお願いいたします。
転載動画を投稿しているチャンネルで収益化している場合、当プロジェクトのメンバーが関わる投稿動画の合計収益が月 10 万円以上になった際はvspo_clip@virtual-entertainment.biz までご申告ください。遵守していただけない「転載動画」については、削除依頼などを行う場合がございます。
引用:https://vspo.jp/guide/
このようにガイドラインによって切り抜きルールが明文化されています。
切り抜き申請フォームもしっかり用意されていますね。
もしも切り抜きをしたいと思ったときには、まずはその配信者さんの所属事務所のガイドラインを確認してみましょう。
許可の取り方がわからない場合は?
配信者さんによっては切り抜きルールを明文化していない、もしくは公式には切り抜きを許可していない場合があります。
その場合には配信者さんと直接連絡を取り、許可の交渉が必要になってきます。
だいたいの配信者さんはTwitterをやっているはずですので、DM(ダイレクトメッセージ)を送って許可を取ることになるはずです。
DMは失礼がないように送りましょう。
「切り抜きをしてあげてる」という上から目線ではなく、「切り抜きをさせて欲しい」という気持ちを込めて送ると良いでしょう。
許可を取ったのに切り抜きできない場合もある?
配信者さんから切り抜き動画の許可をもらっても切り抜いてはいけない配信もあります。
代表的なところを挙げると「一部のゲーム実況」や「音源を使った歌ってみた配信」です。
ゲーム実況の場合、そのゲームを作った会社が切り抜き動画を禁止にしている場合があります。
ここはゲームのガイドラインをしっかり確認する必要があります。
野球ゲームの『パワプロ』で言うと、『パワプロ2020』では切り抜き動画がOKでしたが『パワプロ2022』からはダメになったパターンもあります。
「歌ってみた」に関しても、使用した音源の許可をもらっているのは歌った人だけで、切り抜きチャンネルの人はその音源の使用許可をもらえているわけではありません。
【音源を作った人 → 配信者 → 切り抜き】の流れになるわけですが、切り抜きは音源を作った人からの許可がないので、その音源が使われている動画をアップできないわけです。
又貸しのようなことはダメということです。