一時期のブームは過ぎ去ったものの、今では一つの配信のスタイルとして定着した感がある『Vtuber』。
Vtuberのことを追っていくと「引退」や「卒業」、そして「転生」という言葉をよく耳にすることになります。
Vtuber独自の文化があって、最初はなかなか理解しにくいと思います。
というわけで今回は、「Vtuberの転生」について解説していきます。
Vtuberの転生って具体的にどういうこと?
まず、Vtuberには「卒業」「引退」という概念があります。
顔出しをしているYouTuberやストリーマーにも「引退」はありますが、Vtuberの「引退」はちょっと特殊です。
なぜかというと、Vtuberは引退をしても数ヶ月後には同じ声の人が別の新人Vtuberとしてデビューすることが多いからです。
YouTuberやストリーマーも引退後に復帰することはあります、ですがその場合は本人のままで復帰です。
しかし、Vtuberは別のVtuberとして復帰するのです。これを「転生」と言います。
中身は同じだけど別人物として再登場するから「転生」ってことです。
転生したら完全別人として接するのがルール
明らかに「あの人じゃん!」という新人Vtuberがデビューすることが多々あります。
そんな新人Vtuberさんに対して、今まで仲良かったVtuberやストリーマーが初対面の雰囲気でコラボをする光景をよく見かけます。
Vtuber独特の文化とも言えます。
えっ?そこまで徹底してVtuberの世界を守らなきゃいけないの?と思ってしまいますよね。
いやー、別にみんな前のVtuberの時代(前世)はわかってるんだから、そこまでしなくてもー、と。
しかし、これにはVtuberの世界観を守るというオタク文化的なノリだけではなく大人の事情も関わってくるから複雑なのです。
大人の事情とはVtuberのガワ(絵)に関する権利です。
「転生」をするのは事務所に所属していたVtuberです。個人Vtuberの転生というのはほぼ聞いたことがないです。
事務所に所属しているVtuberさんの絵の権利は事務所が持っています。
Vtuberさんは絵を借りているという契約です。
ですので、Vtuberを引退して事務所を離れるということは絵を使うという契約を終了することになります。
Vtuberから引退をすると、もう前のVtuberとして活動することは契約が終了しているので出来ません。
ちょっと強引な例えをすると・・・。以前住んでいたマンションから引っ越したのに、「前にそこのマンション住んでたから部屋に入れろ!」と言うのがダメってことです。
もうその部屋に住む権利を持っていないのに、「前に住んでたから」という理由でその部屋を使おうとするのは無理っていうことです。
Vtuberの引退も同じで、「以前はそのVtuberだったから」という理由でそのVtuberとしては活動できないのです。
だから、転生をすると以前にVtuberとしての活動は完全になかったものとして新たなVtuberとして活動しなければいけません。
もしも以前のVtuberとしての「記憶」を維持したままで活動してしまうと、前に所属していた事務所から「契約終了したのに、まだうちのVtuberの権利を勝手に使っていませんか?」と怒られます。
このような契約上の問題もVtuberには絡んでくるので、転生をすると完全新人Vtuberとして接しなければいけないのです。