最近、AndroidスマホでYouTubeを見ている時にスクリーンショットを撮ると、画面の下に「YouTubeがこのスクリーンショットを検出しました」というメッセージが表示される人が増えています。
「えっ、監視されてる?」「何か悪いことした?」とドキッとした方もいるかもしれません。
今回は、このメッセージが表示される理由と、その仕組みについて解説します。
犯人は「Android 14」の新機能
この通知の正体は、Android 14で導入された新しいAPI(アプリ開発者向けの機能)です。
これまで、アプリがスクリーンショットに対してできる対策は、「画面を真っ暗にして撮影させない(ブロックする)」という極端な方法が主流でした。
Netflixや銀行系アプリでスクショを撮ると真っ黒になるのはこのためです。
しかし、Android 14からは「スクリーンショットの撮影自体は許可するけれど、撮影されたことをアプリ側が検知できる」という機能が追加されました。
なぜ「検出しました」と表示されるの?
この通知機能は、私たちユーザーのプライバシーを守るために絶対に必要な仕組みとして導入されました。
これには、大きく2つの深い理由があります。
「こっそり監視」を防ぐため
実は、Android 13以前でも、アプリ開発者は「ユーザーがスクショを撮ったか」を知るために、裏技のような方法(ファイル保存の監視など)を使っていました。
問題は、それが「ユーザーが気づかない間に行われていた」ことです。
Android 14の新しいルールはこうです。
- 「アプリがスクショを検知したいなら、公式の機能(API)を使いなさい。その代わり、検知した事実を必ずユーザーに伝えます」
つまり、あのメッセージは「このアプリはあなたのスクショ行動を見ていますよ」とシステムがバラしてくれているのです。
これによって、アプリによる「隠れスパイ行為」ができなくなり、ユーザーは安心してアプリを利用できるようになります。
「画面真っ黒」を回避するため
これまで、アプリができるスクショ対策は「完全に禁止する(画面を真っ暗にする)」か「放置する」の2択しかありませんでした。
銀行アプリやNetflixでスクショが真っ黒になるのは、「禁止」しか手段がなかったからです。
しかし、「禁止まではしたくないけど、状況は把握したい」というケースもあります。
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SnapchatのようなSNS
画像保存は禁止しないが、相手に通知はしたい。 -
ショッピングアプリ
欲しいものリスト代わりにスクショされる頻度を知りたい。
この新機能のおかげで、「撮影自体は自由にさせてくれる(真っ黒にならない)」という利便性と、「アプリ側の管理」の両立が可能になりました。
YouTubeの狙いは?禁止されるの?
現時点では、YouTubeでスクショを撮ってもアカウントが停止されたり、画像が保存できなかったりすることはありません。
では、なぜYouTubeはこの機能を導入したのでしょうか?
考えられる理由は以下の2点です。
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データ分析(マーケティング)
ユーザーが動画の「どのシーン」を保存したがり、「どんなコンテンツ」に関心があるのかを分析するためです。例えば、料理動画のレシピ部分や、推しのアイドルのキメ顔など、保存されやすい傾向を掴む狙いがあると思われます。
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著作権管理のテスト
将来的に特定のコンテンツの拡散を抑制するためのテスト運用の可能性もありますが、現状は「監視」の側面が強いでしょう。
まとめ
「YouTubeが検出しました」という表示が出ても、今のところ慌てる必要はありません。
これは「アプリ側があなたの行動(スクショ)を把握できるようになった」ということを意味します。
Snapchatのような「消えるメッセージ」系アプリや、ショッピングアプリ(ドイツのOttoなど)でも導入が進んでおり、これからは「スクショ=相手にバレる」というケースがAndroidでも増えていきそうです。
もしこの表示が出たら、「お、Android 14の新機能だな」と思って、安心して(?)YouTubeを楽しんでください。