動画をアップロードした直後に「著作権侵害の申し立て」が届き、しかも対象地域に「ロシア」「ベラルーシ」という具体的な国名が表示されると、何か国際的なルールに違反してしまったのではないかと不安になりますよね。実はこれ、あなたのミスではありません。
この記事では、ウクライナ侵攻以降の世界情勢がどのようにYouTubeのシステムに影響しているのか、その裏側の事情と正しい対処法を解説します。
「一部の地域でブロック」の正体とチャンネルへの影響
この通知が来たからといって、即座にあなたのチャンネルが削除されたり、いわゆる「著作権ストライク(違反警告)」による重いペナルティを受けたりするわけではありません。
YouTube Studioの管理画面で「詳細」を確認し、「チャンネルへの影響:なし」と表示されていれば、それは「Content ID」という自動検知システムのお知らせに過ぎません。
これは、「あなたが使用した楽曲や映像の権利者が、特定の国での再生を許可していない」という状態を示しています。つまり、「あなたの動画は公開してもいいけれど、権利者の意向により、ロシアやベラルーシの人たちには見せられませんよ」という制限付きの公開状態になっているのです。
日本やその他の地域で見られているのであれば、直ちに動画を削除しなければならない緊急事態ではありません。
なぜ「ロシア・ベラルーシ」だけブロックされるのか
ここが今回もっとも疑問に感じる部分だと思いますが、結論から言うと「ウクライナ侵攻に伴う経済制裁や企業の撤退」が直接的な原因です。
あなたが何か設定を間違えたわけではなく、音楽業界や権利管理団体が「その国でのビジネスを停止している」という世界的な動きが、YouTubeのシステムに反映されています。
メジャーレーベルの事業停止
ウクライナ侵攻が始まって以降、ユニバーサルミュージック、ソニー・ミュージック、ワーナー・ミュージックといった世界的な大手レコード会社は、ロシアでの事業活動を停止・撤退しました。これに伴い、ロシア(および協力関係にあるベラルーシ)での楽曲配信やライセンス供与を引き上げています。
YouTubeシステム上の処理
Content IDシステムは、権利者が登録したポリシー(ルール)に従って自動で動画を制御します。権利者が「ロシアでの配信を停止する」という設定を一斉に適用したため、その楽曲を含むあなたの動画も、システム上機械的に「ロシア・ベラルーシでは再生不可」という処理がなされるようになったのです。
つまり、これはあなたの動画に対する個別的な攻撃ではなく、「権利者が制裁措置としてその市場をブロックしている」という国際情勢の縮図が、管理画面に表示されている状態と言えます。
この警告が出た時の具体的な対処手順
仕組みが分かれば、対処はシンプルです。あなたがその動画をどう扱いたいかによって、次の3つから選んでください。
1. そのまま公開し続ける(放置)
もしあなたの動画が、主に日本人やロシア以外の視聴者をターゲットにしているのであれば、そのまま何もしなくて大丈夫です。
「一部の地域(ロシア等)」で見られないだけで、日本やアメリカなど他の国では通常通り再生されます。「チャンネルへの影響:なし」であれば、アカウントの評価にも傷はつきません。ただし、収益化は制限される(権利者に収益がいく)ケースが多いです。
2. 該当箇所をカット・ミュートする
「警告が出ている状態が気持ち悪い」「自分で収益化したい」という場合は、YouTube Studioの編集機能を使います。
動画を削除して再アップロードする必要はありません。「詳細」画面から、著作権に引っかかっている楽曲部分だけをミュート(消音)したり、別の安全な曲に置き換えたりすることで、ブロック制限を解除できます。
3. 動画を削除する
どうしても不安が残る場合や、自分の意図しない制限(国ごとのブロックなど)がかかるのが嫌な場合は、動画自体を削除するのも一つの手です。
まとめ
- 「ロシア・ベラルーシでブロック」は、ウクライナ侵攻に伴う主要レコード会社の事業停止や制裁措置の影響。
- これはシステム的な自動処理であり、あなたのチャンネルに対するペナルティ(違反警告)ではない。
管理画面に赤い文字や国名が出るとドキッとしてしまいますが、これは「世界情勢がYouTubeのシステムにも反映されている」という現象に過ぎません。日本向けの動画であれば大きな実害はないため、安心して動画制作を続けてください。