有名エンタメユニット『すとぷり』の【ころん】くんが無断転載で炎上した件について。
「なぜ他にも無断転載をしている人がいるのに、今回のころんくんだけが炎上したのか?」その点について解説していきます。
今回の炎上事件の内容
今回の炎上事件は、ころんくんが2022年9月8日にYouTubeで行った『絶対に笑ってはいけない TikTokについにすとぷり!?神回すぎん?』配信が問題視されたことにあります。
配信内でころんくんは、お笑い芸人の芦名秀介さんがTikTokに投稿した動画を紹介しました。
これに対して芦名さんが「無断転載された!」と抗議の声を上げたのです。
日本には【著作権】という、映像や動画、音楽や文章の制作物の権利を守る法律があります。
著作権をとても簡単に言うと「他人の作った制作物を勝手に使っちゃダメ!」ってことです。
今回のころんくんの配信では、芦名さんの動画を勝手に使っていたから無断転載(著作権侵害)で問題視されたわけです。
他にも無断転載動画ってたくさんあるけど?
先程も書いたように、著作権侵害というのは「勝手に使う」とダメです。
他人の著作物を使う場合、使用許可をちゃんと取れば使っていいのです。
「じゃあ、他の無断転載してるっぽいYouTuberたちは許可を取っているのか?」というと、これは私達視聴者にはわかりません。
許可を取っているかもしれないし、もしかしたら許可を取っていない可能性もあります。
しかし、無断転載されてるっぽい動画の著作権を持っていない視聴者が「これは無断転載だ!著作権侵害だ!」と指摘することは出来ません。
なぜなら使用許可を取っているかもしれないからです。
著作権侵害で訴えることができるのは【著作権の権利を持っている本人だけ】です。
明らかに著作権侵害の動画でも、第三者が著作権侵害だからと通報したりすることはできないのです。
ですので、ころんくんの配信以外にも疑惑の動画はたくさんありますが、権利を持っている人が訴えを起こしていないから問題にはなっていません。
そして、今回の場合は芦名さんという著作権の権利を持った人が「無断転載だ!」と声を上げたことで、無断転載(著作権侵害)であることが確定しています。
無断転載をしたことが確定したので炎上したというわけです。
引用すれば問題ない?
著作権の話になるとすぐに「許可を取らなくても元のURLを記載しておけば大丈夫だよ」と言う人がいます。
今回もネットニュースの記事で「引用の記載がないからダメだ、引用の記載さえしておけば良かったのに」という指摘をしているところもありました。
しかし、著作物の引用はそんな簡単にできるものではありません!
文化庁(https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/seidokaisetsu/gaiyo/chosakubutsu_jiyu.html)のホームページに引用ルールについて記載があります。
他人の著作物を自分の著作物の中に取り込む場合,すなわち引用を行う場合,一般的には,以下の事項に注意しなければなりません。
(1)他人の著作物を引用する必然性があること。
(2)かぎ括弧をつけるなど,自分の著作物と引用部分とが区別されていること。
(3)自分の著作物と引用する著作物との主従関係が明確であること(自分の著作物が主体)。
(4)出所の明示がなされていること。(第48条)
引用ルールはこのように書かれていますが、この(4)の項目だけが一人歩きして「元URLを貼ればOK」と言われるようになってしまっていると思われます。
引用するためには「引用する必然性」や「自分の著作物が主体である」という項目もクリアしていないといけないのです。
今回のころんくんの配信では、面白い動画を紹介するという方式で芦名さんの動画を使っています。
引用の必然性で考えると、そういう企画だから面白い動画を引用してくるとアリなような気もしますが、「企画だから」と言えば著作権の乱用がし放題になる危険性が出てきます。
「映画の面白いエンディングをみんなで見よう!」という企画ならば映画のシーンを使いまくっても著作権的にOKなのか?と考えると危ない感じがしますよね。
また、自分の著作物が主体かと言うと、主体は芦名さんの動画にあると思われます。
こんな感じで引用のちゃんとしたルールを見ていくと、引用ルールを引き合いに出してもアウトだったと思います。
まとめ
無断転載(著作権侵害)は、著作物の権利を持っている人が訴えた瞬間にアウトになります。
逆に言えば、誰にも訴えられなければ問題はありません。
しかし、今回は権利を持っている人が声を上げたのでアウトになり炎上しました。
また、すとぷりを運営する会社が過去に「著作権を守ろう」という注意喚起を行っていたこともあり、本人たちが著作権への意識が低いこともさらに炎上を加速させる要因にもなりました。