「個人で楽しむだけなら大丈夫?」「SNSに載せなければOK?」という疑問に対し、著作権法やガイドラインの仕組みをベースに、ファンとして守るべきラインとリスクについて解説します。
ライブスクショの印刷と「私的利用」の判断基準
結論から申し上げますと、公式ライブ(3D・AR含む)のスクリーンショットをコンビニや自宅で印刷し、手帳などの「家の外に持ち出すもの」に使用する行為は、厳密にはガイドラインおよび著作権法の「私的利用」の範囲を超える可能性が高いです。
多くのファンが行っているため「みんなやっているから大丈夫」と思われがちですが、権利の仕組み上は以下の点でリスクがあります。
- 画面上のデータ(スクショ)を紙に印刷する行為は、法的には「複製」にあたります。
- 手帳は、友人など「第三者」の目に触れる公的な性質を持つ冊子です。また、ご友人に直接見せる行為も、厳密な「家庭内」の範囲から外れる一歩手前となります。
にじさんじ(ANYCOLOR株式会社)の二次創作ガイドラインは、あくまで「ファンによる創作活動(イラストを描くなど)」を広く許容するものであり、公式が制作した映像や画像の「そのままのコピー(切り抜き動画を除く静止画印刷など)」を推奨・許可しているわけではありません。
「立ち絵ならOK」という認識も誤解を含んでいることが多く、基本的に公式素材(立ち絵や3Dモデルの画像)をそのまま使用したグッズ制作は、個人用であってもグレーゾーン、あるいは黒に近い行為となります。
最も安全で推奨される楽しみ方は、以下の通りです。
- 公式から発売されているステッカーや切り抜きを使用する。
- ご自身で描いたファンアート(手書きイラスト)を使用する。
- 完全に自宅内のみで使用し、第三者の目に触れない日記帳などに留める。
なぜ「個人利用」でもNGになる場合があるのか(権利と仕組みの解説)
ここからは、あなたが悪いということではなく、「著作権法や企業の権利保護システムがどう設計されているか」という仕組みについて解説します。この構造を知れば、どこまでがセーフでどこからがアウトか、ご自身で判断できるようになります。
まず、日本の著作権法第三十条における「私的利用のための複製」は、非常に限定的です。
- 条件:「個人的に、または家庭内その他これに準ずる限られた範囲内」で使用すること。
- 現実:お薬手帳は外出先で使用し、医療従事者(他人)に見せることを前提としています。この時点で「家庭内」という条件から外れると解釈されるのが一般的です。
また、企業(にじさんじ側)の視点で見ると、以下のような「物理的・権利的な境界線」があります。
「二次創作」と「無断転載・複製」は全く別物として扱われます。
- 二次創作: ファンが自分の手で描いたイラストなど。これはガイドラインで広く認められています。
- 複製(転載): 公式が作った映像や画像をそのままコピーすること。これは、公式が販売するグッズ(ステッカーやブロマイドなど)の価値を損なう可能性があるため、基本的に認められません。
「赤信号をみんなで渡っている状態」という表現がよくなされますが、SNS上で見かけるデコ画像等は、「公式が黙認している(わざわざ一人ずつ訴えていない)」だけの状態であり、権利的にクリアになっているわけではないのです。
「立ち絵はOKと聞いた」という点についても、おそらく「配信のサムネイル作成に(ガイドラインを守った上で)使用してよい」というルールや、ファンアートの参考にすることと混同されている可能性があります。公式の画像をそのまま印刷してグッズ化することは、どの企業も原則禁止しているのが業界のスタンダードです。
あなたが良きファンであり続けたいと願うならば、「公式の素材をそのまま使う」のではなく、「公式グッズを買ってデコる」または「自分の創作物でデコる」方向へシフトすることが、ライバーとコンテンツを守ることにつながります。
まとめ
- ライブスクショの印刷利用は、お薬手帳のように第三者が見る場所では「私的利用」の範囲を超える可能性が高いです。
- 「みんながやっている」=「合法・許可済み」ではありません。公式素材のそのままのコピーは、ファンアート(二次創作)とは区別されます。
推し活は「公式にお金を落とすこと」や「ルールを守ること」で、より長く安心して楽しむことができます。公式から出ているステッカーや特典カードなどを活用して、世界に一つだけの素敵なお薬手帳を作ってみてくださいね。