「動画の見栄えを良くするために、ネットで見つけた面白い画像や綺麗な写真を使いたい」
YouTubeで動画を作り始めると、誰もが一度はそう考えるのではないでしょうか。
しかし同時に、「著作権」という言葉が頭をよぎり、使うのをためらってしまう方も多いはずです。
今回は、そんな方のために、著作権の基本的な考え方と、動画制作でやりがちな著作権に関する大きな誤解について、分かりやすく解説していきます。
著作権とは、決して難しい法律ではない
「著作権」と聞くと、なんだか複雑で小難しい法律の話に聞こえるかもしれません。
しかし、その本質は驚くほどシンプルです。
それは、「他人が作ったものを、許可なく勝手に使ってはいけない」という、ごく当たり前のルールです。
例えば、あなたがアルバイトで貯めたお金で買った大切な自転車を、誰かに勝手に乗り回されたら、当然「許せない!」と思いますよね。
それと同じです。
何日もかけて一生懸命描いたイラストを、誰かが無断で自分の動画に使っていたら、作者が「勝手に使うな!」と怒るのは当然です。
特に、イラストや写真で生計を立てているプロにとって、作品を無断で使われることは、仕事を奪われることに他なりません。
写真、イラスト、どんなものに著作権があるの?
では、具体的にどのようなものが「著作物」にあたり、著作権で保護されるのでしょうか。
プロのイラストレーターが描いた絵や、プロのカメラマンが撮影した写真に著作権があるのは、想像しやすいと思います。
しかし、著作権はプロの作品だけに発生するものではありません。
あなたがスマートフォンで何気なく撮影した足元の写真にも、著作権は自動的に発生します。
極端な例を挙げれば、赤ちゃんが偶然スマホのシャッターボタンを押して撮れてしまった写真でさえ、著作権は発生するのです。
作品を作ろうという意図があったかどうかは関係ありません。
創作物が生まれたその瞬間に、作った人(撮った人)に著作権は自動的に与えられます。
最大の落とし穴、「引用」という言葉の誤解
これは、著作権にまつわる最も大きな誤解の一つであり、非常に危険な考え方です。
確かに、法律には「引用」というルールが存在します。
しかし、これは報道機関がニュースで資料映像を使ったり、研究者が論文でデータを参照したりするような、ごく限られた目的のために認められているものです。
あなたが作るゲーム実況やエンタメ動画で、この「引用」のルールが簡単に適用されることは、まずありません。
もし、「引用」と書きさえすれば何でも自由に使える世の中だとしたら、プロのカメラマンやイラストレーターは誰一人として生活できなくなってしまいます。
誰もお金を払ってくれなくなるからです。
一般の人が「引用って書けばOK」という軽い気持ちでネット上の画像を使う行為は、意図せず著作権侵害になってしまう可能性が非常に高いのです。
では、どうすれば安全に動画を作れるのか
答えはシンプルです。
著作権フリー(または商用利用可)を明記している、信頼できる素材サイトから画像やイラストを探して使いましょう。
Googleの画像検索で安易に見つけた画像を動画に使うことは、知らず知らずのうちに他人の権利を侵害してしまうリスクと隣り合わせです。
安全で楽しい創作活動を続けるために、使用する素材の出所を常に意識する習慣をつけましょう。