【YouTube】動画がバズる仕組みとは?再生回数が急に増えなくなる(止まる)のはアルゴリズムが理由?

 

「頑張って作った動画なのに、再生数が伸びない…」

「どうすれば自分の動画も『バズる』んだろう?」

 

YouTubeで活動する多くのクリエイターが抱えるこの悩み。

一体、YouTubeの「バズ」はどのような仕組みで生まれるのでしょうか?

この記事では、YouTubeの複雑なアルゴリズムを初心者の方にも分かりやすく紐解き、「バズが生まれる具体的な流れ」から「なぜサムネイルが極めて重要なのか」までを徹底的に解説します。

 

YouTubeで「バズる」とはどういう状態か?

HIKAWA
YouTubeでバズるってどういうこと?テレビで紹介されたり、有名YouTuberに紹介されたりすればバズるの?

 

まず、「バズる」という状態を正しく定義しましょう。

YouTubeにおける「バズ」とは、「あなたの動画がYouTubeのアルゴリズムに『この動画は多くの視聴者が満足する、非常に質の高いコンテンツだ』と判断され、チャンネル登録者以外にも爆発的に動画がおすすめ表示される状態」を指します。

 

決して、芸能人が気まぐれに紹介してくれたから、といった偶然の産物ではありません。

すべては、YouTubeが自身のプラットフォームの目的である「視聴者一人ひとりに最適な動画を届け、より長い時間YouTubeに滞在してもらう」ことを達成するために作り上げた、精巧なシステムの結果なのです。

 

つまり、バズるためには「アルゴリズムに気に入られる動画」を作ることが重要になってくるということです。

 

 

YouTubeアルゴリズム

HIKAWA
YouTubeのアルゴリズムってなに?データで何を見ているの?

 

アルゴリズムは無数の指標を見ていますが、特に重要視しているのが以下の3つの要素です。

 

1. クリック率(CTR)

クリック率(CTR: Click-Through Rate)とは、あなたの動画のサムネイルが視聴者の画面に表示された回数(インプレッション)のうち、実際にクリックされた割合のことです。

 

  • なぜ重要なのか?
    これが、サムネイルが重要である最大の理由です。
    YouTubeのホーム画面や関連動画欄には、無数の動画が並んでいます。その中で、視聴者があなたの動画を選んでクリックするという行為は、「この動画に強く興味があります!」という明確な意思表示です。

クリック率が高い動画を、アルゴリズムはこう判断します。

「このサムネイルとタイトルは、多くの人の興味を引く力がある。これは価値ある動画かもしれないから、もっと他の人にも見せてテストしてみよう」

 

どんなに素晴らしい内容の動画を作っても、クリックされなければ再生回数は「0」のまま。

視聴者維持率もエンゲージメントも生まれません。

クリック率は、バズるための連鎖反応を引き起こす「最初の起爆スイッチ」なのです。

 

 

2. 視聴者維持率

クリックしてもらった後、次にアルゴリズムが見ているのが視聴者維持率です。

これは、視聴者が動画をどれくらいの時間、あるいは全体の何%まで見続けてくれたかを示す指標です。

 

  • なぜ重要なのか?
    クリック率が「期待」の指標だとすれば、視聴者維持率は「満足度」の指標です。
    例えば、魅力的なサムネイルでクリックさせたとしても、中身が退屈だったり、期待と全く違う内容だったりすれば、視聴者はすぐに離脱してしまいます。これは「視聴者をガッカリさせた質の低い動画」と判断され、アルゴリズムはその動画の評価を下げ、おすすめ表示を止めてしまいます。

これが、いわゆる「釣りサムネ」が長期的には逆効果になる理由です。

 

逆に、動画の最後まで、あるいはそれに近い時間視聴してもらえれば、アルゴリズムはこう判断します。

「この動画は視聴者の期待に応え、満足させている。非常に質の高いコンテンツだ。もっと多くの人におすすめする価値がある」

クリック率で集めた視聴者を、動画の内容で満足させられるか。

ここで動画の真価が問われます。

 

 

3. エンゲージメント

エンゲージメントとは、高評価(いいね)、コメント、共有、チャンネル登録といった、視聴者からの能動的な反応のことです。

  • なぜ重要なのか?
    これらは、視聴者が「ただ見る」だけでなく、「感情を動かされ、何らかのアクションを起こした」という証拠です。
  1. 高評価: 「この動画、良かったよ!」という直接的な賞賛。

  2. コメント: 「面白かった!」「私はこう思う」といった議論や共感の発生。

  3. 共有: 「この動画を他の人にも教えたい!」という強い推奨。

 

エンゲージメントが多い動画を、アルゴリズムはこう考えます。

「この動画は、視聴者の心を動かし、コミュニティを生み出す力がある。これはプラットフォーム全体にとっても有益なコンテンツだ」

これらのエンゲージメントは、動画の評価をさらにブーストさせ、より強い拡散力を与えてくれます。

 

 

【実例で解説】バズが生まれ、そして止まるまでの全プロセス

HIKAWA
投稿から数時間は再生回数が増えるのに、そこから急に再生回数が止まることがよくあります。あれはどういう理由?

 

では、これら3つの指標がどのように連動して「バズ」を生み出すのでしょうか。

あなたが「愛犬(柴犬)のかわいい動画」を投稿したと仮定して、そのプロセスを追ってみましょう。

 

 

コア層がメインの初期段階

動画を公開すると、まずあなたのチャンネル登録者や、過去に柴犬関連の動画をよく見ていた「コア層」に動画が表示されます。

アルゴリズムは、公開後数時間〜24時間の「初速」を非常に重視します。

 

  • コア層の反応
    「待ってました!」「うちの子と同じだ!」と、高い確率でクリックしてくれます。内容も彼らが求めているものなので、最後まで視聴し、コメントや高評価を残してくれます。

  • アルゴリズムの判断
    ここで高いクリック率、高い視聴者維持率、多くのエンゲージメントが記録されると、アルゴリズムは「この動画は柴犬好きに大ウケだ。ポテンシャルが高いぞ!」と最初の好評価を下します。

 

最初はほぼ確実に柴犬が好きな人に動画が見られるので、クリック率や視聴維持率が良くなり、再生回数も増えていきます。

 

 

関連層への拡大

初速のテストに合格すると、アルゴリズムは次に、あなたの動画を「関連層」へと広げ始めます。

  • 拡大される視聴者層
    柴犬だけでなく、他の犬種(トイプードル、コーギーなど)の動画を見る「犬好き」や、猫やうさぎの動画を見る「動物好き」といった、少し広い層です。

  • アルゴリズムの判断
    「柴犬好きにウケたのだから、犬好き全般、いや動物好きにもウケるかもしれない」と考え、彼らのホーム画面や関連動画にあなたの動画を推薦します。

  • 結果
    この層もまだ興味の範囲が近いため、高いパフォーマンスを維持できる可能性が高いです。ここで成功すると、再生回数は一気に数万〜数十万回に達し、いわゆる「プチバズ」の状態に入ります。

 

このように徐々に視聴者層の幅が広がっていきます。

逆に言えば、この視聴者層の拡大でデータ(視聴維持率など)が悪いと、そこで再生回数の伸びが止まってバズりは終わります。

 

 

一般層への大拡散

関連層でも好成績を収めると、アルゴリズムは「この動画はもっと普遍的な魅力があるかもしれない」と判断し、さらに推薦の輪を広げます。

  • 拡大される視聴者層
    明確に動物好きというわけではないけれど、普段YouTubeで癒し系の動画や面白いショート動画を見るような「一般層」です。

  • 結果
    柴犬のかわいさがジャンルの壁を越えてこの層の心にも響けば、クリック率や維持率は少し下がりつつも、高い水準を保てます。そうなれば、再生回数は100万回を超えるような「大バズ」へと発展します。

 

ここで視聴者層が一気に広がりますが、それと同時にここで再生回数が止まることが多いポイントでもあります。

私個人としては、ここを乗り越えれば数万再生くらい行くと思っています。

 

 

限界点とバズの終焉

アルゴリズムは常に「この動画の魅力はどこまで通用するのか?」というテストを続けています。

そのため、あなたの柴犬動画は、ついに全く興味のなさそうな層にも表示され始めます。

 

  • 表示される視聴者層
    例えば、普段バイクのカスタム動画や、金融投資の解説動画ばかり見ている「バイク好き」や「投資家」のホーム画面です。

  • 彼らの反応
    彼らはバイクやお金の情報が欲しいため、あなたの柴犬のサムネイルを見ても、よほどのことがない限りスルーします。ここでクリック率が激減します。

  • アルゴリズムの最終判断
    パフォーマンス(特にクリック率)がアルゴリズムの期待値を大きく下回った時点で、「この動画の適切な視聴者層へのリーチは完了した。これ以上広げても喜ばれない」と判断し、爆発的な拡散をストップさせます。

 

このように、バズは「バイク好きに見られなくなるから止まる」のではなく、「バイク好きに見せた結果、反応が悪かったからアルゴリズムが止める」のです。

 

 

なぜサムネイルは「極めて」重要なのか?

HIKAWA
ここまでの流れを振り返ると、サムネイルがめちゃくちゃ重要そうだね!

 

バズの連鎖反応は、すべて「最初のクリック」から始まります。

どんなに心温まるストーリー、どんなに面白い編集、どんなに感動的な音楽を用意しても、サムネイルに魅力がなくてクリックされなければ、その動画は存在しないのと同じです。

視聴者維持率もエンゲージメントも、評価される土俵にすら上がれません。

 

サムネイルは、単なる動画の表紙ではありません。

バズの「起爆スイッチ」であり、無数のライバル動画の中から選んでもらうための「顔」であり、アルゴリズムに対する「私の動画はこんなに魅力的です!」という最初のプレゼンテーションなのです。

視聴者はわずか1〜2秒でサムネイルを見て、クリックするかどうかを判断します。

その一瞬の勝負に勝つために、動画の中身を作るのと同じくらい、いや、時としてそれ以上の情熱と時間をサムネイル制作に注ぐべきなのです。

 

まとめ

最後に、この記事の要点をまとめます。

 

  • YouTubeのバズは運ではなく、アルゴリズムに「視聴者満足度の高い動画」と評価されることで生まれる。

  • アルゴリズムは主に「クリック率」「視聴者維持率」「エンゲージメント」の3つを重視している。

  • バズのプロセスは、コア層→関連層→一般層へと、パフォーマンスが良い限り同心円状に広がっていく。

  • 動画の魅力が通用しない層に達し、クリック率などが低下した時点でバズは終息する。

  • サムネイルは、この全ての連鎖反応の起点となる「クリック率」に直結するため、バズを目指す上で最も重要な要素である。

 

今日から、あなたの動画のアナリティクスを開き、「インプレッションとクリック率」を確認してみてください。

もしクリック率が低い(一般的に5%以下は改善の余地ありと言われます)なら、サムネイルとタイトルに改善のヒントが隠されているはずです。

 

最高の動画コンテンツと、その魅力を最大限に伝える最強のサムネイル。

この二つが揃った時、あなたの動画にも「バズ」の扉が開かれるでしょう。