「大好きなVtuberの面白い瞬間を、もっとたくさんの人に知ってほしい!」「Vtuberの魅力を広める手伝いがしたい!」
そんな熱い思いを胸に、Vtuberの切り抜きチャンネルに興味を持っているあなたへ。
「でも、動画編集なんてやったことないし、何から始めればいいか全然わからない…」と、一歩を踏み出せずにいませんか?
この記事では、全くの未経験者でも、Vtuber切り抜きチャンネルを始めて最初の動画を投稿し、運営していくまでの一連の流れを、どこよりも分かりやすく解説します。
始める前に知っておくべき心構えとルール
技術的な話に入る前に、最も大切なことをお伝えします。
それは、切り抜き活動における心構えとルールです。
これを無視してしまうと、知らないうちに推しに迷惑をかけたり、トラブルに発展したりする可能性があります。
必ず最初に確認してください。
切り抜きは「ファン活動」であるという大前提
まず忘れてはならないのが、切り抜きは「Vtuberご本人へのリスペクトに基づいたファン活動」であるということです。
あなたの目的は、そのVtuberの魅力を広め、応援することのはずです。
再生数や収益を第一に考えるのではなく、常に敬意と愛情を持って活動しましょう。
必ず確認!Vtuber(所属事務所)の切り抜きガイドライン
多くのVtuberや所属事務所は、切り抜き動画に関するガイドラインを公開しています。
これは、活動者側が「こういうルールを守ってくれたら切り抜きしてOKですよ」と示してくれているものです。
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どこで確認できる?
YouTubeチャンネルの概要欄、X(旧Twitter)のプロフィールや固定ポスト、所属事務所の公式サイトなど。
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ガイドラインがない場合は?
ガイドラインがない=全面的に許可、というわけではありません。むしろ「勝手に切り抜いてはいけない」状態ですので、ガイドラインがない場合は直接本人や事務所に確認を取ってから切り抜き動画をアップする必要があります。
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主なチェック項目:
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収益化は許可されているか?
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動画の投稿前に許諾申請が必要か?
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切り抜きを禁止しているコンテンツ(歌枠、メンバーシップ限定配信など)はないか?
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クレジット表記(元配信のURLなど)の指定はあるか?
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切り抜き動画を作る場合は、ちゃんと許可の有無を確認してからやりましょう!
やってはいけないNG行為
ガイドラインの有無にかかわらず、以下の行為は絶対にやめましょう。
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悪意のある編集
発言の一部だけを切り取り、本来の意図と違う意味に見せかける、ネガティブな印象操作をするなど。
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有料コンテンツの切り抜き
メンバーシップ限定配信や有料ライブの内容を切り抜くのは言語道断です。
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他の人への攻撃
他の視聴者や共演しているVtuberへの誹謗中傷に繋がるような編集は絶対にしないでください。
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ネタバレへの無配慮
ストーリー性の高いゲーム配信などの重要なネタバレを含む場合は、タイトルやサムネイルに「ネタバレ注意」と明記する配慮が必要です。
これさえあれば始められる!必要なものリスト
心構えができたら、次は機材とソフトの準備です。
意外と「すでに持っているもの」や「無料で手に入るもの」だけで始められますよ。
ハードウェア
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パソコン: 動画編集はPCに負荷がかかりますが、必ずしも高価なゲーミングPCが必要なわけではありません。
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スペック目安: CPU Core i5以上 / メモリ 8GB以上
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めちゃくちゃ最低限のパソコンだとこれぐらいでも出来ます。
ただ、かなりスペックは低いので、作業中に「まともに動かなくなる」「動いてもカクカクでストレスが溜まる」という状況になる可能性が高いです。
本格的に切り抜き動画をやるならば、ゲーミングPCのようなグラボが搭載された20万円程度のパソコンが必要でしょう。
ソフトウェア(全て無料でOK!)
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動画編集ソフト:
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おすすめNo.1: DaVinci Resolve
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無料とは思えないほど高機能で、プロの映像業界でも使われているソフトです。カラー編集や音響編集も本格的。迷ったらこれを選んでおけば間違いありません。
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その他候補: AviUtl
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昔からの定番無料ソフト。非常に軽量で、拡張機能(プラグイン)が豊富ですが、導入のハードルが少し高いのが難点です。
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録画ソフト&ダウンロードソフト
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OBS Studio
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ゲーム配信などでも使われる、無料の録画・配信ソフトの決定版です。PCに映っている画面や音声を高品質で録画できます。これ一択でOKです。
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yt-dlp
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YouTubeだけではなく、あらゆる動画サイトで動画をダウンロード出来るソフト。「コマンドを自分で打つ」必要はあるが、慣れればこれほど高機能でやりやすいものは無い。
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画像編集ソフト(サムネイル作成用)
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Canva
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ブラウザ上で直感的にデザインが作れる超便利なツール。豊富なテンプレートや素材が用意されており、デザイン経験がなくてもプロ並みのサムネイルが簡単に作れます。
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GIMP
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「無料版Photoshop」とも呼ばれる高機能なソフト。より凝った画像編集をしたい方向けです。
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本格的に切り抜き動画をやる場合は、有料にはなりますが【Premiere Pro】や【Photoshop】を使いましょう。
「無料のソフトでも十分だ!」と思うかもしれませんが、Premiere Proなどの有料ソフトはやはり有料ゆえの作業効率の良さがあります。
お金に余裕がある、切り抜き動画で稼げている、のであれば、Premiere Proで作業効率を上げて動画をたくさんアップした方が良いでしょう。
切り抜き動画の作り方
準備が整ったら、いよいよ動画作成です。
ここでは、DaVinci Resolveのような一般的な動画編集ソフトを使い、5つのステップで解説します。
【STEP1】素材探しと録画(面白い瞬間を見つける)
まずは元となる配信から「ここを切り抜きたい!」という面白い瞬間を見つけます。
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どこを探す?
配信のチャット欄が特に盛り上がっている箇所、コメントでタイムスタンプが押されている箇所は狙い目です。
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どんな瞬間がウケる?
爆笑シーン、可愛いリアクション、神がかったゲームプレイ、てぇてぇ絡み、名言・迷言など、見どころは様々です。
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録画
面白い瞬間を見つけたら、その前後を含めてOBS StudioなどのソフトでPC画面を録画し、動画ファイルとして保存します。
【STEP2】動画編集①:カット(不要な部分を切り取る)
録画した動画データを編集ソフトに取り込み、見やすく整えていきます。
これが編集の基本であり、最も重要な作業です。
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録画データの中から、切り抜きたいシーンの本筋だけを残し、前後の不要な部分を大胆にカットします。
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「えーっと…」「あのー…」といった言葉に詰まっている部分や、長すぎる無言の「間(ま)」を細かくカットしていくと、動画全体のテンポが格段に良くなり、視聴者を飽きさせません。
このカット作業は最初は時間がかかりますが、慣れてくるととんでもないスピードでカットが出来るようになってきます。
最初は面倒で「カット適当でいいやー」と思うかもしれませんが、自分の編集技術向上のためにも、面倒くさがらずにカットはしっかりやりましょう。
【STEP3】動画編集②:テロップ(字幕)を入れる
カットが終わったら、会話にテロップ(字幕)を入れていきましょう。
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なぜテロップが重要?
音が出せない環境(電車内など)で見ている人への配慮、話の内容の聞き取りやすさ向上、そしてツッコミを入れることで面白さを強調する効果があります。
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テロップの基本:
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フォント: 見やすいゴシック体がおすすめです。
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デザイン: 文字に「縁取り」や「影」をつけると、背景に埋もれず格段に見やすくなります。
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効果的なテロップのコツ:
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話している人に合わせてテロップの色を変える。
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驚いた時に「!?」を入れたり、心の声を代弁するようなツッコミを入れたりする。
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特に面白いパワーワードは、文字を大きくしたり色を変えたりして強調する。
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テロップのデザインは、他の切り抜き動画を参考にしたり、テレビ番組のものを見本にすると良いです。
自分で一からテロップのデザインを作るとなると、時間がかかりますし、変なテロップが出来上がって「見づらい」ことになります。
ここはもう、思い切って先人達の技術を真似した方が作業効率も良いですし、見ている視聴者さんも見やすいテロップになり一石二鳥です。
【STEP4】動画編集③:味付け(効果音・BGM・画像)
テロップだけでも十分ですが、少し「味付け」をすると動画のクオリティがぐっと上がります。
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効果音(SE)
ツッコミの箇所に「ピコーン!」という音を入れたり、驚いたシーンで「ガーン」という音を入れたりすると、面白さが倍増します。
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BGM
会話の邪魔にならない程度の小さな音量でBGMを流すと、動画全体の雰囲気が良くなり、視聴者の離脱を防ぐ効果があります。
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画像挿入
会話の中で出てきた物や人物の画像を差し込むと、視聴者が内容を理解しやすくなります。
注意点としては、最初から全てを完璧にやろうとすると挫折します。
まずはテロップを入れるだけでも十分です。
慣れてきたら少しずつ効果音やBGMに挑戦してみましょう。
BGMや効果音は、著作権フリーの素材サイト(DOVA-SYNDROME、効果音ラボなど)を活用してください。
とはいえ、あまり「音をつけすぎる」と邪魔に思う人も出てきます。
音量は小さめで、あまり頻繁に効果音は入れない方がいいでしょう。
【STEP5】サムネイル作成
編集が完了したら、サムネイル作りしましょう。
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クリックされるサムネイルのコツ:
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表情豊かな顔のアップ: Vtuberの驚いた顔や笑顔など、感情が伝わる表情を大きく使いましょう。
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内容が一目で分かる大きな文字: 動画内で最も面白いパワーワードを2~3言、大きく配置します。
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インパクトのある配色: 背景と文字の色は補色(黄色と紫など)を使うと目立ちます。
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サムネイルも他の切り抜き動画を真似して作ると良いです。
サムネイルの良し悪しで再生回数には雲泥の差が出るので、ここはしっかり他の人のサムネイルを見て研究しておきましょう。
タイトルや概要欄も重要です!
動画が完成したら、いよいよYouTubeに投稿です。
投稿後も少し工夫することで、より多くの人に見てもらえるようになります。
YouTubeへのアップロード手順
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タイトル
誰が、何をしたか、が分かりやすく、ついクリックしたくなるようなキーワードを入れましょう。また検索にヒットしやすい単語を入れるのも大事です。-
例:「【神回】〇〇、伝説の天然発言でスタジオ騒然【Vtuber名/切り抜き】」
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概要欄【超重要】
元配信のアーカイブURLと、Vtuber本人のチャンネルURL・X(旧Twitter)のURLを必ず記載します。 これは切り抜き師としての最大の敬意であり、絶対的なマナーです。
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タグ
「Vtuber名」「切り抜き」「ゲームタイトル」など、関連するキーワードを複数設定しましょう。
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終了画面
動画の最後に、自分のチャンネルの他の動画やチャンネル登録ボタンへのリンクを設置できます。終了画面を設定していない人も多いので、無理してやる必要はないです。
X (旧Twitter)での宣伝
動画を投稿したら、Xで宣伝しましょう。
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動画のURLと一緒に、見どころを簡潔に書きます。
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「#(Vtuber名)」「#切り抜き」「#(配信で使われたハッシュタグ)」などを付けると、ファンの目に留まりやすくなります。
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Vtuber本人へのメンション(@~)は、ガイドラインで許可されている場合のみにしましょう。
チャンネルを伸ばすためのヒント
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継続が力
最初は再生数が伸びなくて当たり前です。まずは週に2~3本など、無理のないペースで投稿を続けることが何よりも大切です。
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専門性・独自性
特定のVtuberやコンビに特化したチャンネル、歌やゲームなど特定のジャンルに絞ったチャンネルは、ファンが付きやすい傾向にあります。
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分析と改善
YouTube Studioのアナリティクス機能を見て、どの動画が伸びているか、視聴者はどこから来ているかを分析し、次の動画作りに活かしましょう。
よくある質問(Q&A)
Q1. 収益化はできますか?
A. これはVtuber(事務所)のガイドライン次第です。許可されている場合でも、YouTubeのパートナープログラムの審査(チャンネル登録者1000人、年間総再生時間4000時間など)を通過する必要があります。まずは「推しを応援するファン活動」として楽しみ、収益は二の次と考えましょう。
Q2. 再生数が全然伸びません…
A. 誰でも最初はそうです。まずは10本投稿することを目標にしてみてください。その過程で、どんなタイトルやサムネイルがクリックされやすいか、どんなシーンがウケるのかが少しずつ分かってきます。他の人気切り抜きチャンネルを研究するのも非常に有効です。
Q3. Vtuberさんから削除依頼が来たら?
A. 即座に動画を非公開または削除し、もし連絡が取れるなら丁寧にお詫びしましょう。悪意はなくても、あなたの動画がガイドラインに違反していたり、Vtuber本人が不快に感じたりした可能性があります。素直に従うのがファンとしての正しい姿勢です。
まとめ
最後に、成功するために最も大切な3つのことをおさらいします。
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何よりも「Vtuberへのリスペクト」を忘れないこと。
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完璧を目指さず、まずは1本完成させて投稿してみること。
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楽しみながら、自分のペースで継続すること。
切り抜き動画は、Vtuberの魅力をまだ知らない人々に届けるための、素晴らしい「架け橋」です。あなたの「好き」という熱い気持ちが、最高の原動力になります。
ぜひこの記事を参考に、切り抜き師としての第一歩を踏み出してみてください。応援しています!