【Vtuber】「エージェント契約」と「マネジメント契約」は何が違う?メリット・デメリットを徹底解説!

自分が最近ハマったVtuberが、事務所と「エージェント契約」を結んだらしい!

いろいろ調べたら、普通のVtuberは「マネジメント契約」を結んでいるとのこと…。

もしかして自分の推しは変な契約を結んじゃったのか?

 

というわけで今回は、2つの契約形態の違いを具体例を交えながら解説します。

 

「所属」のマネジメント、「代行」のエージェント

まずは結論からお伝えします。

2つの契約の最も大きな違いは、タレントと事務所の関係性にあります。

 

  • マネジメント契約
    事務所に「所属」し、活動全体をサポートしてもらうスタイル。
    例えるなら「芸能事務所のタレント」。事務所という大きなチームの一員として、二人三脚で成功を目指します。

  • エージェント契約
    活動の主体は自分。必要な業務だけをプロに「代行」してもらうスタイル。
    例えるなら「フリーランスが雇う営業のプロ」。Vtuberは社長兼クリエイター、エージェントは外部の優秀な営業担当です。

この関係性の違いが、サポート範囲や収益の仕組み、活動の自由度など、あらゆる面に影響してきます。

 

比較項目 マネジメント契約 エージェント契約
関係性 所属タレントと事務所 ビジネスパートナー(個人と代理人)
サポート範囲 包括的(活動の全て) 限定的(主に案件獲得・交渉)
活動の自由度 事務所の方針に沿う 非常に高い
収益の仕組み 全収益からマージンを支払う 獲得案件からのみ支払う
向いている人 新人、活動に専念したい人 中級者以上、自己管理が得意な人

それでは、それぞれの契約について、もっと深く掘り下げていきましょう。

 

 

すべてお任せで活動に集中!「マネジメント契約」の全貌

HIKAWA
よく聞くのがマネジメント契約だよね!この契約は具体的にどういうことなの?

 

マネジメント契約は、Vtuber/ストリーマー事務所と聞いて多くの人がイメージする、最も一般的な契約形態です。

 

典型例は「にじさんじ」「ホロライブ」

にじさんじやホロライブのように、オーディションを経てデビューするVtuberは、このマネジメント契約を結んでいます。

彼らが「〇〇事務所所属の~」と名乗っていることからも、その関係性がよくわかりますね。

 

どんなサポートが受けられる?

マネジメント契約の最大の魅力は、その手厚く包括的なサポート体制にあります。

クリエイターは、自身の最も得意な「コンテンツ制作」に集中できる環境が提供されます。

 

  • キャラクター・機材の提供: 活動の顔となるLive2D/3Dモデルの提供やアップデート、高価な収録機材やスタジオの貸し出しなど、個人では難しいレベルのリソースを活用できます。

  • 活動のプランニング: 配信企画の相談、スケジュール管理、長期的なキャリアプランの設計などをマネージャーがサポートしてくれます。

  • コンテンツ制作支援: 動画編集のサポート、サムネイル制作、コラボ企画の調整など、制作活動を直接的に手伝ってもらえることもあります。

  • プロモーション・営業: 事務所が持つメディアとのコネクションを活かした宣伝活動や、企業案件の獲得を代行してくれます。

  • グッズ・イベント展開: 誕生日記念グッズや大規模なライブイベントなど、個人では実現不可能な企画を事務所主導で展開できます。

  • バックオフィス業務の一任: 確定申告などの経理処理、契約書のリーガルチェック、ファンレターの受け取りといった煩雑な事務作業を全て任せられます。

  • トラブル対応: 誹謗中傷や炎上といったトラブル発生時に、法務チームなどがタレントを守るために動いてくれます。これは精神的にも大きな支えとなります。

 

 

収益の仕組み

マネジメント契約では、YouTubeの広告収益、メンバーシップ、スーパーチャット、グッズ売上、企業案件の報酬など、活動から生じるほぼ全ての収益を一度事務所が受け取ります。

そこから、事務所の取り分である「マージン(手数料)*が差し引かれ、残った金額がタレントの報酬として支払われます。

マージンの割合は事務所やタレントの実績、契約内容によって大きく異なりますが、サポートが手厚い分、エージェント契約よりは高くなる傾向にあります。

 

 

メリット・デメリット

  • メリット

    • 配信や動画制作といったクリエイティブな活動に全集中できる

    • 事務所の強力なブランド力とリソースを活用できる。

    • 個人では不可能な規模の仕事(大型イベント、TV出演など)につながりやすい。

    • トラブル発生時に守ってもらえるという絶大な安心感がある。

  • デメリット

    • 手元に残る収益の割合が低くなる傾向がある。

    • 活動方針について事務所の意向が強く反映され、活動の自由度が制限されることがある。

    • 契約期間に縛られることが多く、簡単に辞めることはできない。

 

【マネジメント契約がおすすめな人】
・これからVtuber/ストリーマーとしてデビューしたい新人の方
・ とにかくコンテンツ作りに没頭したいクリエイター気質の方
・ 事務作業や営業、交渉事がとにかく苦手な方
・ 大手事務所の看板を背負って活動したい方

 

 

自由と収益性を両立!「エージェント契約」という選択肢

HIKAWA
あんまり聞かないけど、個人Vtuberが「実はあの事務所とエージェント契約を結んでいた」ってことがよくあるエージェント契約について教えて。

 

一方、エージェント契約は、すでに個人で活動しているVtuberがさらなるステップアップを目指す際に選ぶことが多い契約形態です。

 

典型例は「実力派の個人Vtuber」

ある程度の実績とファンを獲得した個人Vtuberが、「活動のスタイルは変えたくない。でも、企業とのやり取りだけが大変…」という悩みを解決するために、事務所やエージェント企業と提携するケースがこれにあたります。

活動の主体はあくまで「個人」のままです。

 

 

どんなサポートが受けられる?

エージェント契約のサポート範囲は、マネジメント契約とは対照的に限定的かつ専門的です。

その核心は、タレントの「代理人」として、営業や交渉を行うことにあります。

 

  • 企業案件の紹介・営業
    エージェントが持つ企業とのネットワークを活かし、タレントの個性やブランドイメージに合った案件を紹介・提案してくれます。

  • 契約条件の交渉
    報酬額、権利関係、稼働内容など、個人では不安な契約周りの交渉をプロの目線で代行し、タレントが不利にならないよう調整してくれます。

  • 請求・入金管理
    案件終了後の請求書発行や、ギャランティの入金管理といった面倒な手続きを巻き取ってくれます。

 

日常の配信スケジュールや企画内容、コラボ相手の選定などには、エージェントは基本的に関与しません。

それは全てVtuber個人が決めることになります。

 

 

収益の仕組み

エージェント契約の収益モデルは非常にシンプルです。

エージェントが獲得してきた案件の報酬に対してのみ、決められた割合の「コミッション(手数料)」を支払います。

 

つまり、YouTubeの広告収益、メンバーシップ、スーパーチャット、自分で獲得した案件の収益などは、原則として100%自分のものになります(※契約内容によります)。

これは、収益面におけるマネジメント契約との最大の違いと言えるでしょう。

 

メリット・デメリット

  • メリット

    • 配信内容や活動方針をすべて自分で決められる圧倒的な自由度

    • 収益の大部分を自分でコントロールでき、高い収益性を期待できる。

    • 面倒で専門知識が必要な営業・交渉だけをプロに外注できる。

    • 活動の根幹であるキャラクターの権利は自分自身に帰属する。

  • デメリット

    • 案件獲得以外のことは、全て自己責任・自己管理となる(スケジュール、経理、企画など)。

    • マネジメント契約のような手厚いサポートや育成は受けられない。

    • 事務所のブランド力を直接的に利用することは難しい。

 

【エージェント契約がおすすめな人】
・ すでに一定のファンや実績を持つ個人活動者
・ 自分の世界観や活動方針を絶対に曲げたくない方
・ スケジュール管理や確定申告などを自分自身でこなせる方
・ 企業とのコミュニケーションや交渉だけに課題を感じている方

 

 

まとめ

「マネジメント契約」と「エージェント契約」、それぞれの違いをご理解いただけたでしょうか。

  • クリエイティブに全振りしたい、手厚いサポートの中で安心して活動したいなら「マネジメント契約」

  • 自由と高収益を追求したい、自分の力で活動をコントロールしたいなら「エージェント契約」

どちらの契約が優れているという話ではありません。

これは、どのようなVtuber/ストリーマーになりたいのか、というキャリアプランそのものに関わる重要な選択です。

 

これから活動を始める方はマネジメント契約を目指し、活動が軌道に乗ってから独立してエージェント契約に切り替える、といったキャリアパスも考えられます。

いずれの契約を結ぶにせよ、契約書の内容を隅々まで確認し、自分の求めるサポートと合致しているかを確かめることが何よりも大切です。